×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
をいただいた理紅です。こんばんは。(笑)
Sさまのブログを見て爆笑。
そうですか…むしられっぷりにSっ気がかきたてられましたか…。
まぁ、しげる好きーとしては大正解ですよね!!
あのドSっぷりはしげる好きーの真骨頂でしたよね!!(これもSさまの予言通りだった気が…)
次はチャンタの時代にならないですかね…。
そして、続きにむしられ記念な95小噺です。(笑)
(長さ的には全然小噺じゃないのは、もう仕様です。)
みっともなさ過ぎるむしられっぷり&ろくにお話出来なかったお詫びを込めまして、Oさまに捧げさせていただきますv
むしられ話になったのはこれまた仕(以下略)
Sさまのブログを見て爆笑。
そうですか…むしられっぷりにSっ気がかきたてられましたか…。
まぁ、しげる好きーとしては大正解ですよね!!
あのドSっぷりはしげる好きーの真骨頂でしたよね!!(これもSさまの予言通りだった気が…)
次はチャンタの時代にならないですかね…。
そして、続きにむしられ記念な95小噺です。(笑)
(長さ的には全然小噺じゃないのは、もう仕様です。)
みっともなさ過ぎるむしられっぷり&ろくにお話出来なかったお詫びを込めまして、Oさまに捧げさせていただきますv
むしられ話になったのはこれまた仕(以下略)
----------------------------
じっと2人見つめあう。
しかし、珍しく気迫に溢れた顔のボーガンに対し、向き合う形となったキュウゾウはいつも通り冷めた顔だ。無表情だ。だが、その視線はひたりとボーガンを捉え、離さない。ぴりりと張り詰めた空気が辺り一帯を支配する。
「くっ…。」
やがて、根負けしたようにボーガンは手元の包みをキュウゾウに手渡した。
カラリと開いた襖の音に、書き物から顔をあげてヒョーゴは訪問者を振り返った。
「何だ遅かったなどこまで…ってどうしたそれは。」
「…もらった。」
「はぁ?」
胸元に想像とは違う荷物を抱えて現れたキュウゾウにヒョーゴは開口一番そう問いかけ、その返事に思わず素っ頓狂な声をあげた。キュウゾウは無言で机の上に様々な包み置いていく。それを端から順に手に取り、ヒョーゴは低く唸った。
「これは鶴屋の饅頭ではないか…こっちは菊屋の限定笹寿司。蘿蔔屋の甘露煮まであるじゃないか。」
「中身まで知らぬ。」
「知らぬって…誰からもらったのだ?」
「あいつらから。」
「あいつら?…ああ、若のところの用心棒たちか?」
あいつらがくれて寄こしたのか?というヒョーゴの問いにキュウゾウはそうだと頷く。
そう言えば今日は街に繰り出していたようだったがな、と言ってヒョーゴは微かに首を傾げた。
ここに置かれたものはどれも、並ばないと買えない、もしくは数量限定のものばかりだ。そう気軽に人にやるだろうか?と思いふとある可能性に気付く。
「こちらへの土産か?」
「知らぬ」
知らぬばかりの返答にちゃんと聞いておけ、とヒョーゴは軽く眉をしかめたがまぁいいと書き物をどけ、上機嫌に茶器を引き寄せた。
「夜食には申し分のない品だ。どちらにせよ、こんなに色々貰ってしまっては、あとで丁重に礼をせんとな。」
腹が減ったな、キュウゾウ何か調達してきてくれないか、とは半刻ばかし前のヒョーゴの言葉だった。勿論、本気ではない。当に厨に人がいるような時間ではなく、いたとしてもこのキュウゾウと厨の人間で会話が成り立つかと言ったら成り立たないに、この目の前に置かれたこの貴重な鶴屋の饅頭を賭けてもいいくらい無謀だとわかっていたが、ついそんな言葉が口をついて出たのだ。
そんな冗談を言うくらい、目の前の格闘しなくてはならない書き物の山にいい加減ヒョーゴも疲れてはいた。要人の警護は、いつもただ背後を守っていれば事足りるというわけでもないということを虹雅渓に来てヒョーゴは知った。キュウゾウは一言承知、と言うと素直に部屋から出て行った。そして今、予期せぬ包みの山を抱えて戻ってきた。
くつくつとヒョーゴは笑いながら包みを開く。キュウゾウが何だ、とヒョーゴを見るとヒョーゴはいやな、となおもおかしそうに笑いながら話し出す。
「まさか、お前がちゃんと夜食を調達してくるとは思わなくてな。しかもこんな上等なものを」
「…。」
「握り飯でも持ってこれたら御の字だと思っていたぞ俺は。」
「…。」
「そういえば、ちゃんと礼は言ったろうな?」
「無論。」
即答したキュウゾウにならいい、とヒョーゴはどこか皮肉るような笑みを浮かべながらそう言うと、早速饅頭に手を伸ばした。どうせいつものようにかたじけないの一言で済ましているのだろうが、無言よりはよっぽどいい。
それを見たキュウゾウも折角なので手を伸ばす。はむ、とかぶりつくと上品な餡の味が口いっぱいに広がる。そして、つい先ほどのやりとりを頭の中で思い返す。
――― 土産だとは、言っていなかったが。
キュウゾウはただ、立っていただけだ。厨に向かう廊下を歩いていて、バッタリと用心棒一行に出くわしたのだ。
いつも通りきちんと挨拶をよこしたのはセンサー1人で、あとは思い思いの表情と仕草でキュウゾウを見た。その手元には皆、何かしら包みを持っていた。それをチラッとみて一行を通すために脇に寄って立ち止まったキュウゾウの横を、まずゴーグルが軽く片手をあげて通り過ぎた。その際に、手に持った包みの中から2つ、キュウゾウの手元に置いていった。
その次のモヒカンもゴーグルに倣えとばかりにほらよ、と言葉をかけ、別の包みを渡す。そして鼻歌交じりにゴーグルの後を追っていってしまう。その手元にある包みには、見覚えのある店の屋号が印字されていた。
かたじけないとポツリポツリと呟くキュウゾウに、普段、キュウゾウと滅多に顔を直に合わせることのない用心棒たちは、キュウゾウを避けるようにしてこそこそと脇を通りすぎて行く。勿論、その際、手元の包みを1つ渡すことは忘れない。中には、こ、これで勘弁していただけませんかと悲壮な声をあげるものまでいた。
――― 勘弁するも何もないのだが。
それを見送ると、あとにはボーガンとセンサーが残されるばかりだった。やはり、手元には同じように包みを持っている。だが、ボーガンは他の者たちと違って、1つしか包みを持っていなかった。にやにやと笑うセンサーの横で、ボーガンが珍しくはっきりと牙を向いてきた。
「…俺はやりませんぜ。」
「…。」
「これ買うのにどれだけ並んだと思っているんで。」
「…。」
「…。」
「…。」
そのまましばし、無言で向き合い。
結局、膠着状態は、ボーガンが差し出した包みで決着となった。唯一の包みを渡したボーガンが意気消沈して去っていく後姿を見ながら、キュウゾウとしては何故、皆が己にこうして包みを渡していくのかがわからないでいた。
双方に盛大な誤解があるのはわかっていたが、こちらが何か言葉を紡ごうとするだけで相手は萎縮してしまい、会話が成り立たないのはいつものことであり。キュウゾウはひたすら謝礼の言葉を紡ぐしかなかった。
キュウゾウとしては、たださっさと脇を通り過ぎていってくれればそれで良かったのだが。
そうして、図らずも厨に行く前に目的を達成したキュウゾウはこうしてヒョーゴのところに戻ってきた。中身が食物なのはセンサーのお早めに召し上がって下さい、という言葉で知った。
本来なら、そっくりそのまま彼らに返すべきなのだろう。否、本来も何も返さねばならないのだろうが―――上機嫌に饅頭を口に運ぶヒョーゴを見ていると、
―――まあ、いいか。
となり、特に訂正をする気は起きないのだった。
終
後日、ヒョーゴさんが事の顛末を知り、馬鹿めの言葉と共に貰った限定品を求めてかけずり回る破目になったのは言うまでもありません。(笑)
ある意味諸悪の根源は一番手のゴっさんと、それにノッたモヒカンかしら?
じっと2人見つめあう。
しかし、珍しく気迫に溢れた顔のボーガンに対し、向き合う形となったキュウゾウはいつも通り冷めた顔だ。無表情だ。だが、その視線はひたりとボーガンを捉え、離さない。ぴりりと張り詰めた空気が辺り一帯を支配する。
「くっ…。」
やがて、根負けしたようにボーガンは手元の包みをキュウゾウに手渡した。
カラリと開いた襖の音に、書き物から顔をあげてヒョーゴは訪問者を振り返った。
「何だ遅かったなどこまで…ってどうしたそれは。」
「…もらった。」
「はぁ?」
胸元に想像とは違う荷物を抱えて現れたキュウゾウにヒョーゴは開口一番そう問いかけ、その返事に思わず素っ頓狂な声をあげた。キュウゾウは無言で机の上に様々な包み置いていく。それを端から順に手に取り、ヒョーゴは低く唸った。
「これは鶴屋の饅頭ではないか…こっちは菊屋の限定笹寿司。蘿蔔屋の甘露煮まであるじゃないか。」
「中身まで知らぬ。」
「知らぬって…誰からもらったのだ?」
「あいつらから。」
「あいつら?…ああ、若のところの用心棒たちか?」
あいつらがくれて寄こしたのか?というヒョーゴの問いにキュウゾウはそうだと頷く。
そう言えば今日は街に繰り出していたようだったがな、と言ってヒョーゴは微かに首を傾げた。
ここに置かれたものはどれも、並ばないと買えない、もしくは数量限定のものばかりだ。そう気軽に人にやるだろうか?と思いふとある可能性に気付く。
「こちらへの土産か?」
「知らぬ」
知らぬばかりの返答にちゃんと聞いておけ、とヒョーゴは軽く眉をしかめたがまぁいいと書き物をどけ、上機嫌に茶器を引き寄せた。
「夜食には申し分のない品だ。どちらにせよ、こんなに色々貰ってしまっては、あとで丁重に礼をせんとな。」
腹が減ったな、キュウゾウ何か調達してきてくれないか、とは半刻ばかし前のヒョーゴの言葉だった。勿論、本気ではない。当に厨に人がいるような時間ではなく、いたとしてもこのキュウゾウと厨の人間で会話が成り立つかと言ったら成り立たないに、この目の前に置かれたこの貴重な鶴屋の饅頭を賭けてもいいくらい無謀だとわかっていたが、ついそんな言葉が口をついて出たのだ。
そんな冗談を言うくらい、目の前の格闘しなくてはならない書き物の山にいい加減ヒョーゴも疲れてはいた。要人の警護は、いつもただ背後を守っていれば事足りるというわけでもないということを虹雅渓に来てヒョーゴは知った。キュウゾウは一言承知、と言うと素直に部屋から出て行った。そして今、予期せぬ包みの山を抱えて戻ってきた。
くつくつとヒョーゴは笑いながら包みを開く。キュウゾウが何だ、とヒョーゴを見るとヒョーゴはいやな、となおもおかしそうに笑いながら話し出す。
「まさか、お前がちゃんと夜食を調達してくるとは思わなくてな。しかもこんな上等なものを」
「…。」
「握り飯でも持ってこれたら御の字だと思っていたぞ俺は。」
「…。」
「そういえば、ちゃんと礼は言ったろうな?」
「無論。」
即答したキュウゾウにならいい、とヒョーゴはどこか皮肉るような笑みを浮かべながらそう言うと、早速饅頭に手を伸ばした。どうせいつものようにかたじけないの一言で済ましているのだろうが、無言よりはよっぽどいい。
それを見たキュウゾウも折角なので手を伸ばす。はむ、とかぶりつくと上品な餡の味が口いっぱいに広がる。そして、つい先ほどのやりとりを頭の中で思い返す。
――― 土産だとは、言っていなかったが。
キュウゾウはただ、立っていただけだ。厨に向かう廊下を歩いていて、バッタリと用心棒一行に出くわしたのだ。
いつも通りきちんと挨拶をよこしたのはセンサー1人で、あとは思い思いの表情と仕草でキュウゾウを見た。その手元には皆、何かしら包みを持っていた。それをチラッとみて一行を通すために脇に寄って立ち止まったキュウゾウの横を、まずゴーグルが軽く片手をあげて通り過ぎた。その際に、手に持った包みの中から2つ、キュウゾウの手元に置いていった。
その次のモヒカンもゴーグルに倣えとばかりにほらよ、と言葉をかけ、別の包みを渡す。そして鼻歌交じりにゴーグルの後を追っていってしまう。その手元にある包みには、見覚えのある店の屋号が印字されていた。
かたじけないとポツリポツリと呟くキュウゾウに、普段、キュウゾウと滅多に顔を直に合わせることのない用心棒たちは、キュウゾウを避けるようにしてこそこそと脇を通りすぎて行く。勿論、その際、手元の包みを1つ渡すことは忘れない。中には、こ、これで勘弁していただけませんかと悲壮な声をあげるものまでいた。
――― 勘弁するも何もないのだが。
それを見送ると、あとにはボーガンとセンサーが残されるばかりだった。やはり、手元には同じように包みを持っている。だが、ボーガンは他の者たちと違って、1つしか包みを持っていなかった。にやにやと笑うセンサーの横で、ボーガンが珍しくはっきりと牙を向いてきた。
「…俺はやりませんぜ。」
「…。」
「これ買うのにどれだけ並んだと思っているんで。」
「…。」
「…。」
「…。」
そのまましばし、無言で向き合い。
結局、膠着状態は、ボーガンが差し出した包みで決着となった。唯一の包みを渡したボーガンが意気消沈して去っていく後姿を見ながら、キュウゾウとしては何故、皆が己にこうして包みを渡していくのかがわからないでいた。
双方に盛大な誤解があるのはわかっていたが、こちらが何か言葉を紡ごうとするだけで相手は萎縮してしまい、会話が成り立たないのはいつものことであり。キュウゾウはひたすら謝礼の言葉を紡ぐしかなかった。
キュウゾウとしては、たださっさと脇を通り過ぎていってくれればそれで良かったのだが。
そうして、図らずも厨に行く前に目的を達成したキュウゾウはこうしてヒョーゴのところに戻ってきた。中身が食物なのはセンサーのお早めに召し上がって下さい、という言葉で知った。
本来なら、そっくりそのまま彼らに返すべきなのだろう。否、本来も何も返さねばならないのだろうが―――上機嫌に饅頭を口に運ぶヒョーゴを見ていると、
―――まあ、いいか。
となり、特に訂正をする気は起きないのだった。
終
後日、ヒョーゴさんが事の顛末を知り、馬鹿めの言葉と共に貰った限定品を求めてかけずり回る破目になったのは言うまでもありません。(笑)
ある意味諸悪の根源は一番手のゴっさんと、それにノッたモヒカンかしら?
PR
この記事にコメントする