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侍オンリー終了してもう1週間だと…!!早すぎる!!
実はオンリー無事終了して安堵したか、ずっと寝込んでおりまして。
久々にポカリオンリーな生活をして、最初高熱で震えていた手が、後半空腹で震えていました。(何というダメ発言 笑)
もう当分、ポカリはいい…。
ようやく昨日から仕事に行けるほど回復したので、遅れに遅れているメールのお返事も早急にさせていただきます。
寝込んでいる間にもメールや拍手からコメントありがとうございましたー!! こちらも、お返事少々お待ち下さい…!!
以下は、寝込む前に書いていた己の関節痛から(…)浮かんだ小噺。
体調崩す時の身体からのサインは、概ねこの関節痛および右顎のリンパの痛みです。(どーでもいい)
皆様もお身体どうぞご自愛下さい…。
実はオンリー無事終了して安堵したか、ずっと寝込んでおりまして。
久々にポカリオンリーな生活をして、最初高熱で震えていた手が、後半空腹で震えていました。(何というダメ発言 笑)
もう当分、ポカリはいい…。
ようやく昨日から仕事に行けるほど回復したので、遅れに遅れているメールのお返事も早急にさせていただきます。
寝込んでいる間にもメールや拍手からコメントありがとうございましたー!! こちらも、お返事少々お待ち下さい…!!
以下は、寝込む前に書いていた己の関節痛から(…)浮かんだ小噺。
体調崩す時の身体からのサインは、概ねこの関節痛および右顎のリンパの痛みです。(どーでもいい)
皆様もお身体どうぞご自愛下さい…。
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ヅキン、と痛みが走る度に、気にしても仕方がないと思いながらもつい手を痛む箇所に向けてしまう。気休め程度に撫でてはまた手元の点字新聞に手を戻し、またいくらもしない内に痛みに耐えかねて手を向ける。
新聞を読む合間に痛む肘を摩っているのか、肘を摩る合間に新聞を読んでいるのか判別しにくい頻度でそんな事を繰り返していると、もう何度目かわからない痛みに襲われた肘にトン、と触れるものがあった。
「……そんなに痛むの」
先程までの市川の動作を真似るように静かに肘を摩りながら赤木がゆるく問う。市川は宙ぶらりんの手を抱えたまま低くうめいた。
「……離しな、赤木」
「どうしてです?」
どうして、とそう真正面から問われると返答に迷う。
己の中に答えは、ある。
いくつも瞬時に浮かぶ。だがそれがこの赤木を納得させられるものかどうかはまた別の話だ。
あの再戦を蹴られて以来、赤木は度々ボソリと呟く。市川の耳だから拾えるような、密やかなだが決意みなぎる声で。
―――次は譲らないよ、と。
もしかしたら、と思う。もしかしたらこいつはこれまで自分の意思が通らなかった事がないのかもしれない。
馬鹿げた仮定だ。赤木の歳でそんな事ある筈がない。
だが、通せたからこそあのまさに凌ぎを削る勝負があり。
通せなかったからこそ『今』がある。
そんな事を市川が思っていると知ってか知らずか、市川の白濁した目を覗きこんでどうしたの?と赤木が訝げな声を出す。
「俺が代わりに摩っていてやるからさ」
じいさんはとっとと新聞読んじまえよ。いつも以上にぞんざいな口調でそう言うと市川の反論を封じるように赤木は笑った。
「さっきから全然進んでないぜ?」
それを言われてしまうと市川としては黙るしかない。
確かに、一旦離した指をまた元の場所に戻して内容を再度把握する為に前後に軽く滑らして読む間にまた新たな痛みが来て指を離してしまうのだから赤木が言うのももっともだった。
だが、素直にそれを認めるのも何だかしゃくで、興がのらねぇだけだ、と言うと市川はふん、と鼻を鳴らして指をすい、と紙の上を滑らし始めた。ペリペリと乾いた音がたつ。赤木が小さくクツクツと笑う。それから何でもないことのように付け足した。
「ああ、そうだ。書かれてる内容俺にも教えてくれませんか」
「……なんだ藪からぼうに」
「いや、痛む肘と天秤にかけても読みたい内容ってどれほどのものかと思ってさ」
アンタが態度に出すってことは相当痛むんだろ、と言うと赤木はそっと市川の肘を摩った。肘をさする赤木の細く温かな指を感じながら市川はフン、と目を細めた。
「…それはどういう意味、じゃあ今のは、って質問責めにでもするつもりだろ」
以前、乞われるままに読んでいた新聞の内容を話してやったら、まさにそれをやられた。それで最終的にでた言葉は、市川さんそんなの読んで面白いのかい? だった。まったくふざけた餓鬼だ。
「それをやられたんじゃ、結局集中出来ねぇじゃねぇか」
渋い顔でそう言った市川にそれもそうか、と赤木はケタケタと実に子どもらしい己に不似合いな笑い声をたてた。
「じゃあ、しょうがない。諦めるか」
それきり赤木は静かになり、部屋には赤木が市川の肘をゆっくりと摩るシュルシュルという衣擦れの音と、市川の指が新聞の上を辿る際に出るパリパリと乾いた音、それに互いの微かな呼吸音だけが響いた。
どれぐらいそうしていたのか。やがて、市川はパタリと手の平全体を新聞の上に置いた。
「市川さん?」
「……蕎麦でも食いに行くか」
「え」
「支度しな」
「あれ、俺も?」
いいの? と身を乗り出して訊く赤木の鼻を市川は軽く小突いた。
「どうせあとで世話賃寄こせと言われるなら、とっとと払っちまった方がいい」
たかる気だったんだろう? 低く笑って言う市川にばれていたか、と赤木も低く笑う。
「でも、何でいきなり蕎麦なの?」
「今日は寒いし、ちょうどいいだろう。……何だ不服か?」
「まさか」
市川さんから誘ってくれて食いにいくのに不服なんてないよ。そう即答した後で、赤木がどこか真面目な声で言う。
「さっきまで読んでいた新聞に、美味い蕎麦について書かれたりしていたのかと思っただけさ」
そういうの読むと食いたくなるもんなんだろう?
赤木の言葉に市川は一瞬虚をつかれた顔をし、すぐに笑い始めた。赤木も笑う。
気付けば肘の痛みなどどこかに消えていた。
終
熱出る前に書いていたんですが、何だかやけに甘あまになってしまった…。
ヅキン、と痛みが走る度に、気にしても仕方がないと思いながらもつい手を痛む箇所に向けてしまう。気休め程度に撫でてはまた手元の点字新聞に手を戻し、またいくらもしない内に痛みに耐えかねて手を向ける。
新聞を読む合間に痛む肘を摩っているのか、肘を摩る合間に新聞を読んでいるのか判別しにくい頻度でそんな事を繰り返していると、もう何度目かわからない痛みに襲われた肘にトン、と触れるものがあった。
「……そんなに痛むの」
先程までの市川の動作を真似るように静かに肘を摩りながら赤木がゆるく問う。市川は宙ぶらりんの手を抱えたまま低くうめいた。
「……離しな、赤木」
「どうしてです?」
どうして、とそう真正面から問われると返答に迷う。
己の中に答えは、ある。
いくつも瞬時に浮かぶ。だがそれがこの赤木を納得させられるものかどうかはまた別の話だ。
あの再戦を蹴られて以来、赤木は度々ボソリと呟く。市川の耳だから拾えるような、密やかなだが決意みなぎる声で。
―――次は譲らないよ、と。
もしかしたら、と思う。もしかしたらこいつはこれまで自分の意思が通らなかった事がないのかもしれない。
馬鹿げた仮定だ。赤木の歳でそんな事ある筈がない。
だが、通せたからこそあのまさに凌ぎを削る勝負があり。
通せなかったからこそ『今』がある。
そんな事を市川が思っていると知ってか知らずか、市川の白濁した目を覗きこんでどうしたの?と赤木が訝げな声を出す。
「俺が代わりに摩っていてやるからさ」
じいさんはとっとと新聞読んじまえよ。いつも以上にぞんざいな口調でそう言うと市川の反論を封じるように赤木は笑った。
「さっきから全然進んでないぜ?」
それを言われてしまうと市川としては黙るしかない。
確かに、一旦離した指をまた元の場所に戻して内容を再度把握する為に前後に軽く滑らして読む間にまた新たな痛みが来て指を離してしまうのだから赤木が言うのももっともだった。
だが、素直にそれを認めるのも何だかしゃくで、興がのらねぇだけだ、と言うと市川はふん、と鼻を鳴らして指をすい、と紙の上を滑らし始めた。ペリペリと乾いた音がたつ。赤木が小さくクツクツと笑う。それから何でもないことのように付け足した。
「ああ、そうだ。書かれてる内容俺にも教えてくれませんか」
「……なんだ藪からぼうに」
「いや、痛む肘と天秤にかけても読みたい内容ってどれほどのものかと思ってさ」
アンタが態度に出すってことは相当痛むんだろ、と言うと赤木はそっと市川の肘を摩った。肘をさする赤木の細く温かな指を感じながら市川はフン、と目を細めた。
「…それはどういう意味、じゃあ今のは、って質問責めにでもするつもりだろ」
以前、乞われるままに読んでいた新聞の内容を話してやったら、まさにそれをやられた。それで最終的にでた言葉は、市川さんそんなの読んで面白いのかい? だった。まったくふざけた餓鬼だ。
「それをやられたんじゃ、結局集中出来ねぇじゃねぇか」
渋い顔でそう言った市川にそれもそうか、と赤木はケタケタと実に子どもらしい己に不似合いな笑い声をたてた。
「じゃあ、しょうがない。諦めるか」
それきり赤木は静かになり、部屋には赤木が市川の肘をゆっくりと摩るシュルシュルという衣擦れの音と、市川の指が新聞の上を辿る際に出るパリパリと乾いた音、それに互いの微かな呼吸音だけが響いた。
どれぐらいそうしていたのか。やがて、市川はパタリと手の平全体を新聞の上に置いた。
「市川さん?」
「……蕎麦でも食いに行くか」
「え」
「支度しな」
「あれ、俺も?」
いいの? と身を乗り出して訊く赤木の鼻を市川は軽く小突いた。
「どうせあとで世話賃寄こせと言われるなら、とっとと払っちまった方がいい」
たかる気だったんだろう? 低く笑って言う市川にばれていたか、と赤木も低く笑う。
「でも、何でいきなり蕎麦なの?」
「今日は寒いし、ちょうどいいだろう。……何だ不服か?」
「まさか」
市川さんから誘ってくれて食いにいくのに不服なんてないよ。そう即答した後で、赤木がどこか真面目な声で言う。
「さっきまで読んでいた新聞に、美味い蕎麦について書かれたりしていたのかと思っただけさ」
そういうの読むと食いたくなるもんなんだろう?
赤木の言葉に市川は一瞬虚をつかれた顔をし、すぐに笑い始めた。赤木も笑う。
気付けば肘の痛みなどどこかに消えていた。
終
熱出る前に書いていたんですが、何だかやけに甘あまになってしまった…。
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