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にゃんこの日!! ということで、諸々棚にあげてにゃんこの日記念市赤噺を書いてみました。
商人Sを猫にする時間が足りなかったのが無念です…。
もうすぐ春=桜の季節なのでまたもや空前のボ&セブーム到来です。
書きたい話がいっぱいだ…。しかし、(主に巽さんに)逃避しながらじゃないと書き上げられない死にネタばっかりなあたり、とんだドMだと自分でも思います。何故だ…。
ブームと言えば、これまた空前のワンナブーム中でして。
これはもう出口×東亜だよね!!と鼻息荒くネットの海を泳いだら、
あまりのサイトの少なさに軽く涙目です。
あれー。
商人Sを猫にする時間が足りなかったのが無念です…。
もうすぐ春=桜の季節なのでまたもや空前のボ&セブーム到来です。
書きたい話がいっぱいだ…。しかし、(主に巽さんに)逃避しながらじゃないと書き上げられない死にネタばっかりなあたり、とんだドMだと自分でも思います。何故だ…。
ブームと言えば、これまた空前のワンナブーム中でして。
これはもう出口×東亜だよね!!と鼻息荒くネットの海を泳いだら、
あまりのサイトの少なさに軽く涙目です。
あれー。
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いまや、すっかり赤木専用出入り口となってしまった居間に面したガラス戸がカラカラと音を立てて開けられすぐに閉められる。
だが、いつもならすぐに聞こえてくる市川を呼ぶ声が、今日はなかなか聞こえてこない。いつもなら、聞こえよがしに声をかけてくるのに。今日、聞こえてくるのは先ほどから庭で忙しなくにゃーん、と鳴く猫の声ばかりだ。
市川は、つと新聞から顔をあげた。一度目を閉じ、ゆっくりと全身で気配を探る。間違いない。そこにいるのは赤木だ。気配を間違えることはない。思わず字列から離してしまった指を戻し、続きに取り掛かろうとぞろり、と指を動かすが、一向に頭に入ってこない。市川は溜息を一つつくと、己から声をかけた。
「赤木」
声をかけると、近寄る気配がする。だが、いつもなら手を伸ばせばすぐに触れられるところにあるはずの赤木の顔が今日はない。手は空しく宙を泳ぎ、市川はたまらず眉間に皺を寄せた。
「おい……?」
確かに赤木の気配なのに、『見』えない。『見』当たらない。
コクリと市川は小さく喉を鳴らした。
何より、こういう時、真っ先に笑うのが赤木という男だ。
何やってんの市川さん、と軽口を叩いて市川の手を取るのが、赤木という男だ。
それが、ない。
どういうことだ、と市川が戸惑いつつ手を下ろすと、市川はぎょっとした。
ポス、と落とした手の平に感じるとぐにゃりとした固形物の感触。毛並みの滑らかさ。薄皮一枚下にある筋肉。
そして、温もり。
そろ、と手を動かすと市川の耳をにゃーん、という声が響く。
「猫?」
あいつは物の怪の類だと思っていたが、ついに猫に化けられるようになったのか?と市川が手元をまじまじと見つめていると、くっくっくっ、といつもの小憎たらしい笑いが居間に響く。
「そんなに見つめないでよ」
「お前……っ」
「もうちょっと眺めていようかと思ったけどさ」
ダメだな、我慢できないと赤木は言うと、赤木はそっと猫を優しく撫でる市川の手に己の手を重ねた。
「我慢?」
「そう」
言うや否や、足が重くなる。指先に、猫の毛とは違う毛先が触れる。思わずほっと息を吐いていた市川を赤木が低く笑う。
「って、おい、何の真似だ。重いだろ。どかんか」
「にゃー」
「あぁ?」
「にゃー」
「にゃー」
赤木の声にあわせるように、市川の手の下にいる猫も身体を震わせなく。とんだ合唱に、市川はあーあー、うるせぇうるせぇ!と言いつつ空いた手で猫二匹の頭をぐりぐりと撫で回したのだった。
終
いまや、すっかり赤木専用出入り口となってしまった居間に面したガラス戸がカラカラと音を立てて開けられすぐに閉められる。
だが、いつもならすぐに聞こえてくる市川を呼ぶ声が、今日はなかなか聞こえてこない。いつもなら、聞こえよがしに声をかけてくるのに。今日、聞こえてくるのは先ほどから庭で忙しなくにゃーん、と鳴く猫の声ばかりだ。
市川は、つと新聞から顔をあげた。一度目を閉じ、ゆっくりと全身で気配を探る。間違いない。そこにいるのは赤木だ。気配を間違えることはない。思わず字列から離してしまった指を戻し、続きに取り掛かろうとぞろり、と指を動かすが、一向に頭に入ってこない。市川は溜息を一つつくと、己から声をかけた。
「赤木」
声をかけると、近寄る気配がする。だが、いつもなら手を伸ばせばすぐに触れられるところにあるはずの赤木の顔が今日はない。手は空しく宙を泳ぎ、市川はたまらず眉間に皺を寄せた。
「おい……?」
確かに赤木の気配なのに、『見』えない。『見』当たらない。
コクリと市川は小さく喉を鳴らした。
何より、こういう時、真っ先に笑うのが赤木という男だ。
何やってんの市川さん、と軽口を叩いて市川の手を取るのが、赤木という男だ。
それが、ない。
どういうことだ、と市川が戸惑いつつ手を下ろすと、市川はぎょっとした。
ポス、と落とした手の平に感じるとぐにゃりとした固形物の感触。毛並みの滑らかさ。薄皮一枚下にある筋肉。
そして、温もり。
そろ、と手を動かすと市川の耳をにゃーん、という声が響く。
「猫?」
あいつは物の怪の類だと思っていたが、ついに猫に化けられるようになったのか?と市川が手元をまじまじと見つめていると、くっくっくっ、といつもの小憎たらしい笑いが居間に響く。
「そんなに見つめないでよ」
「お前……っ」
「もうちょっと眺めていようかと思ったけどさ」
ダメだな、我慢できないと赤木は言うと、赤木はそっと猫を優しく撫でる市川の手に己の手を重ねた。
「我慢?」
「そう」
言うや否や、足が重くなる。指先に、猫の毛とは違う毛先が触れる。思わずほっと息を吐いていた市川を赤木が低く笑う。
「って、おい、何の真似だ。重いだろ。どかんか」
「にゃー」
「あぁ?」
「にゃー」
「にゃー」
赤木の声にあわせるように、市川の手の下にいる猫も身体を震わせなく。とんだ合唱に、市川はあーあー、うるせぇうるせぇ!と言いつつ空いた手で猫二匹の頭をぐりぐりと撫で回したのだった。
終
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