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というわけで、とりあえずこちらのMemoにて更新ー。市赤です。
先日、築地に行った時に場外(でいいんだよな?)で入ったコーヒー屋さんを切り盛りしている初老の女性に「うちは昭和30年からやってるから」と言われ、じゃあここでしげる(13)が飲んでてもおかしくはないんだよね…!!と妙にテンションがあがりました。(笑)そんな唐突に昭和30年とかさらりと言わないで欲しい……。心臓が……。何でもかんでもしげる換算してしまっていかんです。
侍とワンナも正月ネタがあるので、そちらも近々うpします。
冬のバーゲンは仕事帰りに寄るんだもんね!と思っていたら(正月は箱根駅伝優先なので初売りとか出かけない)、一向に寄れそうにない罠。おっかしいなぁ。来年メインで使う新しいマフラーと手袋を買いたいんだけどなぁ……。
拍手ぱちぱちありがとうございました!!
先日、築地に行った時に場外(でいいんだよな?)で入ったコーヒー屋さんを切り盛りしている初老の女性に「うちは昭和30年からやってるから」と言われ、じゃあここでしげる(13)が飲んでてもおかしくはないんだよね…!!と妙にテンションがあがりました。(笑)そんな唐突に昭和30年とかさらりと言わないで欲しい……。心臓が……。何でもかんでもしげる換算してしまっていかんです。
侍とワンナも正月ネタがあるので、そちらも近々うpします。
冬のバーゲンは仕事帰りに寄るんだもんね!と思っていたら(正月は箱根駅伝優先なので初売りとか出かけない)、一向に寄れそうにない罠。おっかしいなぁ。来年メインで使う新しいマフラーと手袋を買いたいんだけどなぁ……。
拍手ぱちぱちありがとうございました!!
「あれ、やっぱりそれ食べてるんだ市川さん」
唐突にかけられた言葉に、市川はゆっくりと箸をおろし視線だけでなく顔ごと声の方へと向けた。一度箸をとめたら、再び動かすのは億劫になるとわかっていてなお確認せずにはいられなかった己を失笑せずにはいられない。
「赤木か」
「うん」
俺、と言うと赤木はシュルと衣擦れの音をさせて市川の前へとやってきた。気づけば、声を聞くのは一週間ぶりだった。大晦日の晩、蕎麦を食って寝て、朝起きたらその気配はどこにも見当たらなくなっていた。
「……何だお前生きてたのか」
「何それ、ひどいな」
赤木がたまらず吹き出す。新年早々勝手に殺さないでよ、とけらけら笑うとふと真顔に戻って言葉を続けた。
「ま、あちこちぶらぶらとね。流石に三箇日に押しかけるのは悪いじゃないですか」
何、心配してくれたの? と、声を弾ませ顔を近づけた赤木の鼻を一度ぎゅ、とつまむと市川はふん、と鼻を鳴らした。
「誰がテメェの心配なんざするか」
「……っ痛いなぁ」
鼻をさする赤木を放って市川は淡々と問いかけた。
「で? 何処にいたんだ?」
「ここに来る前は築地で初競り見てきたよ」
その前は、と聞きかけてそうまでして赤木の過去の行動を把握して何になると市川は思いとどまった。赤木の方もそれ以上話そうとはしない。
ここに来るまでにひと悶着あったにしろなかったにしろ、こうしてのんびり市川の前に座っているのがすべての答えとも言えた。
「で、市川さん実は俺腹減ってるんですけど」
「……」
「もしかして、食べ物ってそれだけですか?」
「築地で食ってきたんじゃないのか」
「いや、コーヒー飲んできただけ」
赤木の言葉に市川は小さくため息をつくと、台所に寿司があると告げた。
「儂は食わんから食っちまってくれ」
「は? 食べないのに作ってあるの?」
何それアンタらしくないね、と赤木はそう言うと素直に台所へと向かう。その背に市川は声をかけていた。
「赤木」
「何? お茶だろ? 淹れて一緒に持ってくるよ」
ちょっと待ってなって、と言う言葉と共に赤木の気配が遠のき、そしてすぐに戻ってきた。……流石にこの早さで茶は無理だろう。
「何だ」
「何だじゃないよ。何あの寿司。五目寿司かと思ったらかまぼことか伊達巻とか入ってるよ?」
「そういう寿司だからな」
「そういう寿司?」
「お節の残り物を混ぜ込んだ寿司だ」
「へぇ……。で、何で市川さんは食べないの?」
「儂はああいうゴチャゴチャしたもんは食わんよ」
「あ、そう」
「ちなみに、あれが嫌ならこの家にある食いものはこれだけだ」
そう言って、己の朱塗りの椀を見せると、まだあの寿司の方がいいな、と言いながら赤木は踵を返し戻っていく。今年も赤木は七草粥は避けて通るらしい。
よりによって今日訪ねて来るとはなとその背を見えぬ目で見送りながら、市川はそっと苦笑をこぼしたのだった。
終
女中が用意したお節は市川がひとりで食べるには量が多いので、三箇日終了後お重に残った煮しめを細かく刻んで五目寿司にしています。(残ったかまぼこと伊達巻もin。)
元ネタは小林カツ代のエッセイに載っていた五目寿司。
唐突にかけられた言葉に、市川はゆっくりと箸をおろし視線だけでなく顔ごと声の方へと向けた。一度箸をとめたら、再び動かすのは億劫になるとわかっていてなお確認せずにはいられなかった己を失笑せずにはいられない。
「赤木か」
「うん」
俺、と言うと赤木はシュルと衣擦れの音をさせて市川の前へとやってきた。気づけば、声を聞くのは一週間ぶりだった。大晦日の晩、蕎麦を食って寝て、朝起きたらその気配はどこにも見当たらなくなっていた。
「……何だお前生きてたのか」
「何それ、ひどいな」
赤木がたまらず吹き出す。新年早々勝手に殺さないでよ、とけらけら笑うとふと真顔に戻って言葉を続けた。
「ま、あちこちぶらぶらとね。流石に三箇日に押しかけるのは悪いじゃないですか」
何、心配してくれたの? と、声を弾ませ顔を近づけた赤木の鼻を一度ぎゅ、とつまむと市川はふん、と鼻を鳴らした。
「誰がテメェの心配なんざするか」
「……っ痛いなぁ」
鼻をさする赤木を放って市川は淡々と問いかけた。
「で? 何処にいたんだ?」
「ここに来る前は築地で初競り見てきたよ」
その前は、と聞きかけてそうまでして赤木の過去の行動を把握して何になると市川は思いとどまった。赤木の方もそれ以上話そうとはしない。
ここに来るまでにひと悶着あったにしろなかったにしろ、こうしてのんびり市川の前に座っているのがすべての答えとも言えた。
「で、市川さん実は俺腹減ってるんですけど」
「……」
「もしかして、食べ物ってそれだけですか?」
「築地で食ってきたんじゃないのか」
「いや、コーヒー飲んできただけ」
赤木の言葉に市川は小さくため息をつくと、台所に寿司があると告げた。
「儂は食わんから食っちまってくれ」
「は? 食べないのに作ってあるの?」
何それアンタらしくないね、と赤木はそう言うと素直に台所へと向かう。その背に市川は声をかけていた。
「赤木」
「何? お茶だろ? 淹れて一緒に持ってくるよ」
ちょっと待ってなって、と言う言葉と共に赤木の気配が遠のき、そしてすぐに戻ってきた。……流石にこの早さで茶は無理だろう。
「何だ」
「何だじゃないよ。何あの寿司。五目寿司かと思ったらかまぼことか伊達巻とか入ってるよ?」
「そういう寿司だからな」
「そういう寿司?」
「お節の残り物を混ぜ込んだ寿司だ」
「へぇ……。で、何で市川さんは食べないの?」
「儂はああいうゴチャゴチャしたもんは食わんよ」
「あ、そう」
「ちなみに、あれが嫌ならこの家にある食いものはこれだけだ」
そう言って、己の朱塗りの椀を見せると、まだあの寿司の方がいいな、と言いながら赤木は踵を返し戻っていく。今年も赤木は七草粥は避けて通るらしい。
よりによって今日訪ねて来るとはなとその背を見えぬ目で見送りながら、市川はそっと苦笑をこぼしたのだった。
終
女中が用意したお節は市川がひとりで食べるには量が多いので、三箇日終了後お重に残った煮しめを細かく刻んで五目寿司にしています。(残ったかまぼこと伊達巻もin。)
元ネタは小林カツ代のエッセイに載っていた五目寿司。
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