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私の住む関東圏でも珍しく霙&雪が降ったので、突発小噺。市赤です。
本当に、雪が降る日と受験日と被るのは何なんでしょうねぇ。苦笑;
禁句ワード連発です。

拍手ぱちぱちありがとうございました!!




 あ。
 こたつに寝そべっていた赤木はごろんと寝返りをうった。顔を窓の方に向ける。
 さっきまでのシトシトと言っていた瓦を打つ音が、カラカラポロポロと質感を持った音に変わる。
 もぞ、と赤木はこたつ布団から抜け出し窓に近づく。はぁ、と漏れた息が窓ガラスを曇らせる。窓の外では白いものがちらちらと舞う。

「市川さん、降ってきたよ」
「……」
「積もるかな。市川さんどう思います?」
 市川は無言でラジオを引き寄せる。そして、スイッチを入れようとした手を赤木は止めた。
「いいよつけなくて」
「……つけなきゃわからんだろ」
「だって、ラジオより市川さんの予報の方が当たるじゃない」
 そう言ってクスクス笑うと、赤木はカラカラと窓をあけた。キンとしたよく冷やされた空気がたちまち室内に流れ込んでくる。火鉢が温めていたなけなしの暖はたちまち霧散した。
「おい、閉めろ。雨戸も閉めちまえ」
「あ、ちょっとだけ待って」
 そう言うや否や赤木は外へと飛びだした。このまま締め出してしまおうか。そう思いつつ開け放たれたままのガラス戸を閉めに立ち上がるのが億劫で市川はそのまま赤木を待った。
 やがて、赤木の気配が戻る。
「ああ、でも霙かなぁこれ。……こうゆうのをあめゆじゅ、っていうのかな」
「ああ?」
「妹に食わせたんだろ」
「……何の話だ」
「でもさあ、そのままじゃ味がなくてつまんないよね」
 市川の問いに答えずに勝手に続ける赤木に市川は小さく嘆息し、黙って口を閉じた。
「何かシロップない?」
「……」
「あ、わかった。ちょっと待ってて」
 何も言ってねぇぞと心中でごちた市川を無視し、霙を椀に収めた赤木は台所へと駆けていく。すぐ戻ってきた赤木は、匙を市川の手に持たせた。
「はい」
「……何かけたんだ」
「え? 梅酒だけど」
「……」
「多分、美味いと思うよ」
 っていうかさ、早く食べてよ。溶けてただの梅酒水割りになっちゃうからさ。
「そっちの方がいいんじゃねぇのか」
「それじゃ雪でやる意味がねぇだろ」
 
 赤木のしつこさに負けて、市川はひと匙掬って口に運ぶ。しゃり、と口の中でたちまち溶けてなくなる。赤木がやれやれというように息を吐く。

「これ食ってとっとと熱下げてよね」 
「ますます、熱があがるように仕向けてるのはどこのどいつだ」

 てめぇのせえですっかり身体が冷えちまったじゃねぇか。毒づく市川に何温めて欲しいの? と赤木がもっと冷えた身体で擦り寄れば市川はシッシ、と犬を追い払うかのように赤木の鼻先で手を振ったのだった。




私の住む関東圏でも霙&雪が振ったので!
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