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しかも侍小噺つきです。以前ここで書いた鏡開き+節分です。
どこをどうしたら約1ヶ月、間が空く行事がくっつくんだって話ですが、ウキョウの配下の用心棒たちですから 多少の無茶はありでしょうということで!!(開きなおった)
1つ下の記事には市赤の節分小噺があります。fkmtサイトからご覧の方はそちらの記事も合わせてご覧下さい~。
拍手ぱちぱちありがとうございました!!
どこをどうしたら約1ヶ月、間が空く行事がくっつくんだって話ですが、ウキョウの配下の用心棒たちですから 多少の無茶はありでしょうということで!!(開きなおった)
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拍手ぱちぱちありがとうございました!!
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カコン、カコンとどこか間の抜けた音が響く。足を進める毎に音は大きくなる。角を曲がれば音の出所は案の定だった。
「……よぉ、ヒョーゴの旦那」
「やっぱりお前らか」
ゆったり腰掛けたままで煙管だけ口から離し声をかけてきた男にヒョーゴが応える。
「何やっているんだ、という問い掛けは愚問のようだな」
「まあな」
そう返してから男はニヤリと笑う。
「そう思いつつ、ちゃんと声に出すところがアンタの美点であり野暮なところだ」
二人の視線の先では、ピンクと金の髪を振り乱し、羽子板を持つ腕を右に左に上に下へと動かして、派手な打ち合いがくりひろげられている。
ギュイン、とセンサーの羽子板を持つ腕が勢いよく伸び、落下寸前だった羽根をすくいとる。
「……節分で使う、鬼の面を禿と共に取りに行ったと聞いたが?」
「ああそうそう」
それで合ってますぜ、と言うと煙管を羽つきに興じるボーガンとセンサーの脇で白い顔を益々白くさせている禿に向けた。
「いやね、俺らも最初は面さえ取ったらすぐ戻るつもりだったんだが」
「それが羽根つき大会か」
「……倉の整理をきちんとしとかなかった報いだな」
「何が報いだ……」
呆れたように言うヒョーゴにゴーグルが笑う。
「あんなすぐに手に取れるところにあんなもんを放置している方が悪いのさ」
倉の中は正月に使った凧や今、ボーガン達が夢中になっている羽子板やら、双六やらが無造作に置かれていた。
後で整理整頓を―――と思ってぶち込んだものを整理する『後』なんてものは往々にしてないものだ。
ヒョーゴがため息をつく。
「それで、そんな羽子板に興じるわけでもなくお前は何をしているんだ?」
「俺か?俺は―――」
そこまで言ったところで割り込む声があった。
「おまたせしました……って、あっ!」
盆に椀を3つ載せて急ぎ足でやってきた禿がゴーグルの傍らに立つヒョーゴとキュウゾウに気づきしまった!という顔をする。
「すみません……っ」
「ああ、いいいい。そっちの奴らも含めて特に報告は―――」
「すぐ、お二人の分もお持ちします!」
「は」
言うや否や禿は盆を置いてまた来た道を一目散に駆けていく。
「……おい」
「そりゃあ、禿だって走らざるを得ないでしょう」
そう言うと、ゴーグルは盆から椀をひとつ取り上げ、蓋を外し中を覗きこんだ。
「お、意外に大丈夫そうだな」
そして、二人に見えるように椀の中身を傾ける。
見せられる前からその甘い匂いにヒョーゴの眉間の皴は益々深くなる。キュウゾウは我関せずというように無言で佇む。それらを横目にゴーグルが
「いやぁ鏡餅も一緒に放置されてたんでね」
鏡開きしないとでしょう。そう、二人に向けて堂々と言い放つ。
はぁ、とヒョーゴの吐き出したため息の向こうで、カコン、と羽根がセンサーの傘の上で跳ねあがり、かん高い音をたてた。
終
そしてその後はみんなで恵方巻を食べると。
カコン、カコンとどこか間の抜けた音が響く。足を進める毎に音は大きくなる。角を曲がれば音の出所は案の定だった。
「……よぉ、ヒョーゴの旦那」
「やっぱりお前らか」
ゆったり腰掛けたままで煙管だけ口から離し声をかけてきた男にヒョーゴが応える。
「何やっているんだ、という問い掛けは愚問のようだな」
「まあな」
そう返してから男はニヤリと笑う。
「そう思いつつ、ちゃんと声に出すところがアンタの美点であり野暮なところだ」
二人の視線の先では、ピンクと金の髪を振り乱し、羽子板を持つ腕を右に左に上に下へと動かして、派手な打ち合いがくりひろげられている。
ギュイン、とセンサーの羽子板を持つ腕が勢いよく伸び、落下寸前だった羽根をすくいとる。
「……節分で使う、鬼の面を禿と共に取りに行ったと聞いたが?」
「ああそうそう」
それで合ってますぜ、と言うと煙管を羽つきに興じるボーガンとセンサーの脇で白い顔を益々白くさせている禿に向けた。
「いやね、俺らも最初は面さえ取ったらすぐ戻るつもりだったんだが」
「それが羽根つき大会か」
「……倉の整理をきちんとしとかなかった報いだな」
「何が報いだ……」
呆れたように言うヒョーゴにゴーグルが笑う。
「あんなすぐに手に取れるところにあんなもんを放置している方が悪いのさ」
倉の中は正月に使った凧や今、ボーガン達が夢中になっている羽子板やら、双六やらが無造作に置かれていた。
後で整理整頓を―――と思ってぶち込んだものを整理する『後』なんてものは往々にしてないものだ。
ヒョーゴがため息をつく。
「それで、そんな羽子板に興じるわけでもなくお前は何をしているんだ?」
「俺か?俺は―――」
そこまで言ったところで割り込む声があった。
「おまたせしました……って、あっ!」
盆に椀を3つ載せて急ぎ足でやってきた禿がゴーグルの傍らに立つヒョーゴとキュウゾウに気づきしまった!という顔をする。
「すみません……っ」
「ああ、いいいい。そっちの奴らも含めて特に報告は―――」
「すぐ、お二人の分もお持ちします!」
「は」
言うや否や禿は盆を置いてまた来た道を一目散に駆けていく。
「……おい」
「そりゃあ、禿だって走らざるを得ないでしょう」
そう言うと、ゴーグルは盆から椀をひとつ取り上げ、蓋を外し中を覗きこんだ。
「お、意外に大丈夫そうだな」
そして、二人に見えるように椀の中身を傾ける。
見せられる前からその甘い匂いにヒョーゴの眉間の皴は益々深くなる。キュウゾウは我関せずというように無言で佇む。それらを横目にゴーグルが
「いやぁ鏡餅も一緒に放置されてたんでね」
鏡開きしないとでしょう。そう、二人に向けて堂々と言い放つ。
はぁ、とヒョーゴの吐き出したため息の向こうで、カコン、と羽根がセンサーの傘の上で跳ねあがり、かん高い音をたてた。
終
そしてその後はみんなで恵方巻を食べると。
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