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節分、ということで小噺をひとつ。市赤です。
まあしげる(13)はこんなこと言わないだろうけども!!

家に帰ったらちゃんと柊にめざし(鰯じゃなくてもいいんだろうか)の頭が刺さってました。まあ生臭いことには変わりない!!
西南西らしき方角を向いて恵方巻きも食べてみました。
今年はちゃんと、切らずに丸のままで食卓に出てまいりました。
そうだよママン…切ってしまったらそれはただの太巻き寿司じゃあないか……。





「生臭い」
「あぁ?」
「どこに行っても生臭い」

 そうブツブツ言いながら赤木が家中をぐるぐる動き回っている。

「市川さん家なら大丈夫かと思って来たのに、市川さん家まで臭い」
「臭いなら、どこか別の場所に行ったらどうだ」
 別に無理してここに居ることはあるまい?
 市川が言えば、他の場所よりはまだましだからと見えないと知りつつ赤木は肩をすくめて見せる。
「ここにくる途中でさ、どこの家もみんな外の七輪で魚焼いててさ」
「……」
「それも揃いも揃ってみんな鰯。すっごい臭い」
 前の道を歩いて来ただけなのに、自分の身体からも臭う気がするよ、と赤木がすんと小さく鼻を鳴らす。嫌だな、と小さく呟いた声に、市川が耐えきれないというように吹き出した。
「……市川さん?」
 常にはないことに赤木が不審そうに市川を見れば、市川はくしゃりと赤木の頭を混ぜ頬に指を滑らした。
「いやなに、なかなか効き目があると思ってな」
「何が?」
「鰯も柊もよ」
 今年もひっかけてきたのか?
 ぴり、と頬に走った痛みに赤木はそうか節分か、と小さく呟く。
「ここも、あと五、六匹焼くんだったかな」
「別に、入っちゃえば関係ないし」
「そういって入ってきた鬼を追い出すために豆があるのさ」

 さて、豆はどこにあったかなと市川が言えば、赤木はあんな臭い外に追い出されるのはごめんだとばかりに珍しく市川の手からするりと逃げていったのだった。





以前、節分で柊をひっかけた話がTextにある『魔除』になります。
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