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ということが昨日からありすぎて、
何だか、正直何をしていても糸が切れた感じです。
そのまま、当初予定していたものと全然関係ないものを書き出す始末。
あんだけ色々先日の日記で書く予定のものをあげといて、
そのどれでもないって、下手に書くものリストとか作らないほうがいいんだろうか。(苦笑;
そんなに長くないのでこちらで。市赤市小噺です。
今夜は春とはいえ、こちらは思いがけず冷たい雨が降ったので
ちょうどいいかな、と勝手に思いつつ。
実際の季節は春ですが、脳内で考えているお話はまだまだ冬まっさかり。
雪がしんしん降っている話を書く気満々だったりします。(爆)
---------------------------
追記:
メルフォのお返事はこの1つ下の日記でしております。わざわざありがとうございました!!
何だか、正直何をしていても糸が切れた感じです。
そのまま、当初予定していたものと全然関係ないものを書き出す始末。
あんだけ色々先日の日記で書く予定のものをあげといて、
そのどれでもないって、下手に書くものリストとか作らないほうがいいんだろうか。(苦笑;
そんなに長くないのでこちらで。市赤市小噺です。
今夜は春とはいえ、こちらは思いがけず冷たい雨が降ったので
ちょうどいいかな、と勝手に思いつつ。
実際の季節は春ですが、脳内で考えているお話はまだまだ冬まっさかり。
雪がしんしん降っている話を書く気満々だったりします。(爆)
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追記:
メルフォのお返事はこの1つ下の日記でしております。わざわざありがとうございました!!
布団に潜り込んできたかと思ったら、そのまま市川の寝巻きを肌蹴さそうとする赤木に、市川は遊びが過ぎる手をガッチリと掴んだままで、低く唸った。
「…赤木よ。お前さん、一体何をしたいんだね。」
儂はもう眠いんだが、と薄く瞼を持ち上げて赤木の顔がある辺りを眺める。勿論、実際には見えやしない。だが、そうすることで確実に『見え』るものがあるのだ。子どもの高い体温が迫る。
「俺は眠れないんだよ。」
相手してよ、と言う赤木に何の相手だと口の中でだけ呟いて、市川は布団の中から手を出す。すかさず赤木がその手を己の頬に導く。手の平に感じる表情に、市川は苦々しげに呟く。
「布団を被って、目ぇ閉じてろ。…そうすれば気付いたら寝ちまうもんだ。」
「そうしてたけど、全然眠くならないんだよ。」
「眠れねぇなら、眠くなるまで起きてろ。」
「1人で?」
そんなの、つまらない、とまるで場末の女のようなことを甘く囁いて赤木は市川の手に擦り寄る。
「だってさ、市川さん。」
真っ暗闇な室内に、静かに赤木の声だけが響く。
「こんな真っ暗な部屋でさ、1人起きていても面白くもなんともないよ。」
だからこうしてアンタのところに来たんだよ、と赤木は冷えた身体を市川に添わせた。ひたり、と足裏が市川のふくら脛にくっつけられて、その赤木の足の裏から感じる冷たさに、市川は軽く身を強張らせた。
市川さん、と掠れた声で囁く子どもの声に、市川はかるく頭を振ると、布団から身体を起こした。赤木も一緒になって半身を起こす。市川はそっと手を赤木の額から頬、顎の付け根けと滑らした。
「市川さん?」
「まったくしょうがねぇ餓鬼だ…。待ってろ。」
そうして、暗闇の中、慣れた足取りで台所に向かった市川は、やがて何かを持って戻ってきた。赤木に低く命ずる。
「電気をつけな。」
「…え。」
「お前さんじゃ、零すのがオチだ。」
その言葉に、赤木は素直に灯りをつける。暗闇に慣れた目に蛍光灯の灯りが眩しくて何度か瞬きをしていると、ふん、と市川が鼻先で笑ったのがわかった。
ぐい、と湯飲みを差し出される。中を覗き込めば、琥珀色の液体が揺れる。鼻先にふわん、と湯気が立ち昇る。これまで嗅いだことのない匂いに、赤木は知らず知らず、くん、と鼻を鳴らしていた。そんな赤木に市川は構わず、飲め、と赤木に湯飲みを持たせる。これを飲んでさっさと寝ちまえと。
「これ…何?」
「お前のようなやつに飲ませるものさ。」
ふぅん、と言うと赤木は素直に湯飲みを少し傾けた。コク、と一口飲んで思わず赤木はぐ、と呻き咽た。少ししか入っていない湯飲みの中身は、かろうじて零れることはなかったが、チャプンという音を立てて派手に揺れる。市川が笑う。
「うめぇか。」
「…よくわかんない。」
よくわかんないけどまぁ飲めないものじゃないね、と一端の口を聞いて赤木は湯飲みの中身を飲み干す。琥珀色の液体が通った後は、たちまち、喉が、胸が、腹が熱くなる。赤木は思わずほぉ、と、熱い息を吐いた。口の中には、不思議な甘さと酒とバターのコクが残る。
市川は赤木の手から湯飲みを取ると、枕元にある盆の上に置く。そして、赤木に構わず電気を消すと、布団に潜り込む。温かだった布団はすっかり冷えてしまった。それに小さく舌打ちすると、一緒になって布団に潜り込んできた赤木が、それで?と言う。
「俺、眠れないんだって。」
熱い息を吐く赤木に構わず、市川は布団をかけ直す。ただでさえ寒いのに、隙間が空いていたら余計寒い。
「寝ちまうさ。」
そう言うと、市川はすでにアルコールで火照った赤木の頬に手を滑らした。布団から起きだして作業をしている間にすっかり冷えてしまった己の手に、じんわりと赤木の体温が染み込む。
「あと、半刻もしないでお前さんは寝ちまう。」
そして、市川はすっかり冷えた足を赤木のふくら脛に押し当てる。その冷たさにびくっと赤木が震えるが、市川は頓着しない。
「ちょっ…足、冷たいよ市川さん。」
「さっきテメェもやっていたろうが。」
いい塩梅だ、と市川が言うとじじい、と赤木が唸る。
「湯たんぽ代わりかよ。」
「そうだ。」
むっとした赤木に構わず、市川は赤木の腰を引き寄せる。冷えた身体には心地よい温かさだ。
赤木が残すかと思って自分の分を作らなかったが、この温かさなら飲んだときと変わらない眠りが訪れそうだ。
いいから目ぇ閉じてろ、それだけ言うと市川は赤木に構わず瞼を下ろした。しばらく赤木はじじい、とブツブツ言っていたが、それもすぐに聞こえなくなり、やがて規則正しい2人分の寝息が真っ暗な部屋に響きだした。
居間の柱時計がボーン、ボーン、ボーンと午前3時を告げた。
終
冬(暦の上ではもう春ですが)のうちに書いておきたいお話Part1、ということで。ホットカクテル話。
ちなみに、市川さんが作っていたのは王道の『ホット・バタード・ラム』。
昭和30年代にホットカクテル?しかもバター?ラム?
…あったって 信 じ て る。
「…赤木よ。お前さん、一体何をしたいんだね。」
儂はもう眠いんだが、と薄く瞼を持ち上げて赤木の顔がある辺りを眺める。勿論、実際には見えやしない。だが、そうすることで確実に『見え』るものがあるのだ。子どもの高い体温が迫る。
「俺は眠れないんだよ。」
相手してよ、と言う赤木に何の相手だと口の中でだけ呟いて、市川は布団の中から手を出す。すかさず赤木がその手を己の頬に導く。手の平に感じる表情に、市川は苦々しげに呟く。
「布団を被って、目ぇ閉じてろ。…そうすれば気付いたら寝ちまうもんだ。」
「そうしてたけど、全然眠くならないんだよ。」
「眠れねぇなら、眠くなるまで起きてろ。」
「1人で?」
そんなの、つまらない、とまるで場末の女のようなことを甘く囁いて赤木は市川の手に擦り寄る。
「だってさ、市川さん。」
真っ暗闇な室内に、静かに赤木の声だけが響く。
「こんな真っ暗な部屋でさ、1人起きていても面白くもなんともないよ。」
だからこうしてアンタのところに来たんだよ、と赤木は冷えた身体を市川に添わせた。ひたり、と足裏が市川のふくら脛にくっつけられて、その赤木の足の裏から感じる冷たさに、市川は軽く身を強張らせた。
市川さん、と掠れた声で囁く子どもの声に、市川はかるく頭を振ると、布団から身体を起こした。赤木も一緒になって半身を起こす。市川はそっと手を赤木の額から頬、顎の付け根けと滑らした。
「市川さん?」
「まったくしょうがねぇ餓鬼だ…。待ってろ。」
そうして、暗闇の中、慣れた足取りで台所に向かった市川は、やがて何かを持って戻ってきた。赤木に低く命ずる。
「電気をつけな。」
「…え。」
「お前さんじゃ、零すのがオチだ。」
その言葉に、赤木は素直に灯りをつける。暗闇に慣れた目に蛍光灯の灯りが眩しくて何度か瞬きをしていると、ふん、と市川が鼻先で笑ったのがわかった。
ぐい、と湯飲みを差し出される。中を覗き込めば、琥珀色の液体が揺れる。鼻先にふわん、と湯気が立ち昇る。これまで嗅いだことのない匂いに、赤木は知らず知らず、くん、と鼻を鳴らしていた。そんな赤木に市川は構わず、飲め、と赤木に湯飲みを持たせる。これを飲んでさっさと寝ちまえと。
「これ…何?」
「お前のようなやつに飲ませるものさ。」
ふぅん、と言うと赤木は素直に湯飲みを少し傾けた。コク、と一口飲んで思わず赤木はぐ、と呻き咽た。少ししか入っていない湯飲みの中身は、かろうじて零れることはなかったが、チャプンという音を立てて派手に揺れる。市川が笑う。
「うめぇか。」
「…よくわかんない。」
よくわかんないけどまぁ飲めないものじゃないね、と一端の口を聞いて赤木は湯飲みの中身を飲み干す。琥珀色の液体が通った後は、たちまち、喉が、胸が、腹が熱くなる。赤木は思わずほぉ、と、熱い息を吐いた。口の中には、不思議な甘さと酒とバターのコクが残る。
市川は赤木の手から湯飲みを取ると、枕元にある盆の上に置く。そして、赤木に構わず電気を消すと、布団に潜り込む。温かだった布団はすっかり冷えてしまった。それに小さく舌打ちすると、一緒になって布団に潜り込んできた赤木が、それで?と言う。
「俺、眠れないんだって。」
熱い息を吐く赤木に構わず、市川は布団をかけ直す。ただでさえ寒いのに、隙間が空いていたら余計寒い。
「寝ちまうさ。」
そう言うと、市川はすでにアルコールで火照った赤木の頬に手を滑らした。布団から起きだして作業をしている間にすっかり冷えてしまった己の手に、じんわりと赤木の体温が染み込む。
「あと、半刻もしないでお前さんは寝ちまう。」
そして、市川はすっかり冷えた足を赤木のふくら脛に押し当てる。その冷たさにびくっと赤木が震えるが、市川は頓着しない。
「ちょっ…足、冷たいよ市川さん。」
「さっきテメェもやっていたろうが。」
いい塩梅だ、と市川が言うとじじい、と赤木が唸る。
「湯たんぽ代わりかよ。」
「そうだ。」
むっとした赤木に構わず、市川は赤木の腰を引き寄せる。冷えた身体には心地よい温かさだ。
赤木が残すかと思って自分の分を作らなかったが、この温かさなら飲んだときと変わらない眠りが訪れそうだ。
いいから目ぇ閉じてろ、それだけ言うと市川は赤木に構わず瞼を下ろした。しばらく赤木はじじい、とブツブツ言っていたが、それもすぐに聞こえなくなり、やがて規則正しい2人分の寝息が真っ暗な部屋に響きだした。
居間の柱時計がボーン、ボーン、ボーンと午前3時を告げた。
終
冬(暦の上ではもう春ですが)のうちに書いておきたいお話Part1、ということで。ホットカクテル話。
ちなみに、市川さんが作っていたのは王道の『ホット・バタード・ラム』。
昭和30年代にホットカクテル?しかもバター?ラム?
…あったって 信 じ て る。
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